子どもが屁理屈を言ったり反抗的な態度を取ったりすると、親はついイライラして叱りがちです。ほめて育てることが大事だとわかっていても、いたずらや生意気さばかりが目について、ほめるところも見当たらない・・・、という親も多いでしょう。怒ってばかりの子育てから抜け出すにはどうしたらいいのでしょうか。

 「叱ることは、子どもに否定的な視線を注ぐこと。かえって反抗的な態度が増えることもあり逆効果です」 心身障害児総合医療療育センター(東京都板橋区)の外来療育部長で小児科医の米山明さんは、こうアドバイスします。反抗的な態度を繰り返す場合、子どもに怒りをぶつけたりするのをいったんやめ、好ましい行動が出るのを待つことが大事といいます。

 たとえば、親が机で仕事をしている時に、幼児期の子どもが「話を聞いて」と付きまとい、忙しい親が相手してくれるのを待つことができずに「ばか」と口答えしたとします。それに対して親が叱ると、子どもはさらに反抗してやりとりが続き、悪循環になるだけです。

 「親は体の向きを変えて子と視線を合わさず、怒っている様子を見せないようにして、待つことが効果的です」。子どもが落ち着いて一人で遊び始めたら、待てたことをほめるようにします。ほめて肯定的な視線を子どもに注ぐことで、子どもは認められていると感じ、問題行動も自然に減っていくといいます。

 おもちゃを片付けない子に対しては、たとえば「あと三回やったら片付けようね」と話しかけて理解させたり、「車を片付ける?積み木を片付ける?」と子に選択させたりして、指示に従えたらほめてあげます。

 反抗的な子どもに、親は「ほめることが何もない」と感じるものです。ですが米山さんは「100%ではなく25%できた時点でほめるのがポイント」と強調します。100%を目指すと、途中で遊んだり、うまくできなくて泣いたりして、結局ほめないまま終わってしまうことが多いです。

 たとえば一人でパジャマに着替える際、パジャマを持った時点や、ボタンをかけようと努力している時など、ささいなことができたらほめるよう心掛けます。

◆育てにくい…発達障害かも

 親が何度注意しても行動が改まらなかったり、他の子が普通にできることができなかったりする子の中には、発達障害が隠れていることがあります。

 発達障害は、脳機能に偏りがあることが原因とされ、じっとしていられなかったり、衝動のコントロールが難しかったりする注意欠陥多動性障害(ADHD)、コミュニケーションが苦手な自閉症やアスペルガー症候群、学習障害(LD)などがあります。

 発達障害の場合、親は育てにくさを感じて悩むことが多いですが、米山さんは「親のみで抱え込まず、専門家に相談することが大事」と話します。

 2005年に発達障害者支援法が施行されて以降、子どもの行動を心配して発達障害を疑う保護者からの相談は増加傾向。同センターでも、診断を受けるには一年待ちです。

 都道府県や政令市は発達障害者支援センターを設置しており、臨床心理士や言語聴覚士、作業療法士らが子どもの様子を観察しながら、保護者に子育てのアドバイスをします。小学校に入ってからは、教育支援センターやスクールカウンセラーにも相談できます。